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2005年07月28日

スペースシャトル 打ち上げ 見学

再びシャトルの打ち上げです。カウントダウンは土曜日から始まっていました。幸い、病棟の患者さんがいなくなると言うことで、管理人再びシャトルの打ち上げ見学に行ってきます。前回の打ち上げでは、多くの日本人を見かけましたが、5thStarの管理人さんをはじめ、多くの方が涙をのんだことだと思います。シャトルの2年半ぶりのフライトで、日本人の宇宙飛行士の搭乗です。少しでも日本人の応援団を増やさなければいけません。さすがに今回は休みは取れないので、携帯で呼ばれたら戻ると言うことで、スペースセンターに向かいます。

入構証

 コロンビアの悲劇があったのは、管理人がダラスの子ども病院の夜中の移植があった、朝でした。子ども病院から本院に向かう途中に大きな爆発音が鳴り響きました。病院について、ICUの回診を始めると、テキサス上空でシャトルが消息不明になったとのこと、その後悲劇的な最期を遂げたことを知ります。(2003年2月6日の日記参照)

 さて、ホームページで確認するとケネディースペースセンターに6時半に入場とのことなので、マイアミを午前1時に出発します。さすがにこの時間だとI-95は非常にすいています。順調にドライブを続けて、午前5時にはスペースセンターの近くに到着

すでに、Gate 3の検問には長蛇の列。6時を待たずにこの列に並びます。すでに駐車場まで入ることが出来ます。でも、多分10台目くらいでの入場です。
 前回の反省から、持ち物には折りたたみ椅子、それから飲料水を加えます。後にも陳べますが、折りたたみ椅子はかならず必要です。やっぱりラジオも持ってきた方が良かったですね。日焼け止め、日よけの折りたたみ傘も必要になります。
 スペースセンターへの入場も、予定時間よりも早く6時から入場できました。前回と同じセキュリティーを通過します。今回はバックパックは持ってこないように気をつけました。
 バスの時間は7時半から8時半までと非常に短い時間しかありません。出来るだけ良い場所を確保するために、入場するとすぐにバスのり場に向かいます。

バス待ち
移動バス みんな椅子を持つ

 入場口やバス乗り場でもこんな早くても写真撮影サービスをもうはじめています。でも背景が真っ暗で何もわかりません。そんなのでも良いのかな。
 バスの列もどんどんのびてきました。夜が明け始めましたが、雲のないすばらしい空です。今日の打ち上げは期待できそうです。ともかくシャトルの打ち上げ見学は不安のままひたすら待つと言うことが続きます。前の列にいる男性はフィラデルフィアから来ています。軍隊上がりを思わせる直立不動の姿勢のまま静かに待ちます。

静かに打ち上げを待つ
 7時になって、やっとバスの乗車が始まりました。(この時点でジェット機で上空を確認してOKがでています。)でも未だバスは出発しません。前回は、バスに乗ることなく中止になったので大きな一歩です。尖塔から10人目くらいなので、一番最初のバスです。
 結局7時半になってバスは出発、Banana Riverへ向かいます。本部の前などを通って、バスは進みます。バナナリバーにはいると遠くに巨大なアッセンブリービルディングと、打ち上げ台が見えてきます。
 バナナリバーについてもバスは止まりません。乗客が「俺たちはオレンジパスなのにどうして停まらないんだ、前回はここでおろされたんだ。」とさけぶと、運転手が答えます。
 「今日は、見学者が少ないから、招待客用の最高の場所に連れて行ってやる、見学のスタンドもあるから椅子を持っていなくても大丈夫だよ。」というと、車内に歓声が上がります。

もと来賓席


 bバスは、運転手が行ったとおり、バナナリバーの東側の招待客席に着けます。早速、打ち上げ台が最もよく見えるところを探します。こちらの方が、前回の場所よりもシャトルの背中側に面しているので確かに見学には最適です。
 この見学場所はバナナリバーを渡る橋の両側に広がる緑地で、バナナリバーの向こうに発射台が見渡せます。距離は8マイルぐらいあって、双眼鏡がなければよく見えません。シャトルを大きく捕らえるならば1000mm位の望遠レンズが必要になる距離です。

売店 郵便局
 手前の藪がじゃまにならない位置に椅子をおいて、三脚をたてます。今回カメラの三脚しか持ってきませんでしたが、ビデオカメラの三脚も持ってくるべきでした。
 見学場所には、移動トイレがふんだんにあって、また、売店もありお菓子や飲み物は手に入ります。スペースセンターで買うよりも水が随分安いのは脱水を防ぐためでしょうか。ただの草地で長時間待たないといけないので、少々重くてもしっかりした背もたれ手すりつきの折りたたみ椅子を持って行った方が良いです。これは、絶対におすすめです。

 さて、ここからはひたすら待ちます。放送も何にもないので情報が全く入りません。そのため、ラジオかテレビは持ってくるべきでした。時間が経つにつれて、だんだん人が増えてきます。川沿いの最前面に陣取っている人は、みんなカメラとビデオの列です。隣のおじさんもテキサスのカレッジステーションから来ています。みんな、2回目なのですごい気合いの入れようです。
カメラの列 結構な人 みんな一点を見つめます。

 8時になっても天気は相変わらず快晴。(7時57分に野口さんがシャトルに乗り込みます。)前回はここで燃料注入の問題があって打ち上げの中止になったのですが、今回は大丈夫なようです。(実は深夜1時にすでに試験は完了していた。)
 日本人も少しですが見られました。一家族はバルティモアーから来ているそうで、前回は飛行機で、今回は車での挑戦です。大変な距離です。

瞬間を待つ 監視船 ワニ
 9時、日差しが強くじりじりとしています。(シャトルのハッチが閉じられ、天候は90%OKと報告されています。)日傘をたて、日焼け止めを塗って待ちます。ともかく、何時中止になるかもしれないという不安のままひたすら待ちます。
 9時38分、いよいよ打ち上げ1時間前です。未だ、小さな雲が浮かんでいるだけです。天候はパーフェクト問題はありません。(この時点でNASAも天候で中止になる可能性は0%といっていたようですが、情報は入りません。)
 10時になります。(10時8分に天候はクリアーと報告されます。)ここでアクシデントが、フロリダ在住の我々にとってはワニはリスト同じくらい珍しくないのですが、誰から、手前の溝にワニがいると騒ぎます。みんな見に来て、挙げ句の果てにはセキュリティー来てしまいました。お陰で「3メートルさがって」と後ろに縄を張り直されてしまいます。全くはた迷惑な。
いよいよの時

 10時20分 打ち上げの20分前。(10時19分 エンジンセンサーのテストは異常なしです。)ここまで来れば中止になることはないでしょう。みな期待が高まります。
 10時28分 打ち上げ10分前、ビデオのスイッチを入れます。後ろのお兄さんが詳しいのか「最初に
 10時30分 (地上発射制御装置がオンになります。これ以降のカウントダウンは自動で行われます。)見学場所では何が起こっているのかわからずに、みな固唾をのんで見守ります。
 10時32分 コックピットへのブリッジが離れていきます。この時点で我々もカウントダウンが始まることを知ります。期待が高まります。
 10時37分 燃料タンクのストッパーが回転していきます。「あれがはずれると発射するんだ。」と後ろで声が聞こえます。ひたすら、発射の瞬間を待ちます。
Lift Off
 10時39分 発射台から白煙が上がります。シャトルは白煙に包まれて見えなくなります。個体ブースターロケットに点火しました。この位置からだと、ちょうど排気口に向かうため、全く見えなくなります。まわりから歓声が上がります。
 音の方が伝わる速度が遅いため、全く音は聞こえません。D70のシャッターを切りますが、オートフォーカスが効きません。急いでマニュアルに切り替えて、ひたすらシャッターを切ります。ちなみに、管理人のレンズは300mm(450mm相当。)1秒後くらいに、シャトルがまばゆい光を上げて、白煙の中から出ていきます。まわりの歓声がが大きくなりますが、管理人はシャッターを切るので精一杯です。上昇する速さは非常に早いです。あっという間に70mm (105mm相当)でも視野に入らなくなります。D70はマニュアルでピントが合わせにくいのがつらいところです。

ぐんぐん上昇

 レンズを広角に切り替えます。このときに、モード切替がスポーツモードに入ってしまい、以下の写真はみんな絞り開放になってしまいます。このモードダイヤルにロックがないのもD70の欠点です。
 ともかく、512MBのCFカードがいっぱいになるまでひたすらシャッターを切ります。シャトルは、あっという間に青空へ向かって白煙を上げながら上がっていきます。10秒くらい経ってから、発射の爆音が聞こえてきますが、そんなに大きくは聞き取れません。
 ともかく、すごいスピードで上昇していきます。数分後には宇宙にたどり着くので当たり前なのですが、こんなに早いとは思いませんでした。カメラは2台用意しておかないと、間に合いません。このときほど、連射スピードに優れる高級機がほしいと思ったことはありません。D200がでたら真っ先に手に入れよう。

10時41分 だんだん航跡が横倒しになって、雲に隠れるところで、固形ブースターが切り離されたのか、白煙が停まります。シャトルのメインエンジンだけが光点になって進んでいきます。「ブースターが落ちていくのが見えるよ」と、後ろで言っていますが、よくわかりません。

 シャトルはあっという間に見えなくなって、後に、白煙だけが残ります。残された打ち上げ台にはもうシャトルはありません。
 みな、打ち上げが終わると余韻に浸るのでもなく、すたこらとバスに戻っていきます。このあたりはアメリカ人の速さでしょうか。バスに戻ると、泣いている人もいるくらいで、みなが一様に感動を隠し切れませんでした。打ち上げそのものよりも、幾多の苦労を越えて打ち上げにたどり着いたという感動でしょうか。
 この感動は、9年もの歳月を待ってやっと宇宙にたどり着いた野口さんのものと共通するものなのでしょうか。

残された煙 からの打ち上げ台

 バスは、少し時間をおいてからNASAのビジターセンターに戻ります。この時間になると一般にも開放するようになるので、日本人のツアー客なども中で見慣れるようになります。
 売店のホットドックを買うときに、並んでいる人たちと話が弾みます。前の人は、地元の人手、古いミノルタの銀塩一眼レフを持っています。息子がフォートワースに住んでいると言うことで、話が弾みます。後ろの女の子もプレノーの小学校に通っているとのことです。本当にみんな遠くからこの一瞬も見るために通っています。


終わってしまった そそくさと帰ります
 管理人はおきまりのピンバッチは前回買ってあるので、何も買い物をせずに帰ります。今回は、見学者もゆっくりとして帰るようです。前回は、打ち上げが中止になった後は失意になってみなそそくさと帰ったものですが、今回は比較的ゆっくりしているようです。

 シャトルの打ち上げは、よほど情熱がないと見学することが出来ません。きっと、最後のフロンティアと呼ばれる宇宙開発に似ているのでしょう。それでも、それに見合うだけの感動があります。野口飛行士も9年にわたる忍耐のすえ、宇宙にたどり着いてどれだけの感動を味わっていることか。宇宙に行きたい管理人には敬服と共に、うらやましいものがあります。STー114ミッションのクルーがミッションを終えて、無事に帰還することを祈っています。
売店


 最後に、元気に退院してくれた患者さん、シャトルの打ち上げに2度も行かせてくれたボス、バックアップしてくれたインターン、そして貴重な打ち上げ見学のチケットをくれた研究でこられている記者さん。本当に感謝しています。
 シャトルの打ち上げ見学のホームページも少ないので、これが少しでも役に立つと良いですが、重ね重ね「折りたたみ椅子」を持って行くことが重要なポイントです。

投稿者 管理人 : 2005年07月28日 20:26

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